仏教

チベット仏教の僧侶がロシアから国外追放命令 中国も関与か?

投稿日:2015年10月25日 更新日:

tibetan lama

Shiwalha Rinpoche(Banished Tibetan Lama Says He Was Warned By Russian Authoritiesより)

 中国のチベット仏教への干渉は周知の事実である。今回は、その干渉が中国国内だけではなく、他国へも及んでいる可能性がある記事(※1)を見つけたので、一部編集・加筆の下ご紹介する。

「スポンサーリンク」

チベット僧へのロシア国外出国命令

 2015年9月下旬に、著名なチベット仏教の僧侶であるShiwalha Rinpoche(以下、Shiwalha師)が、ロシア連邦保安庁(以下、FSB)により「好ましくない」とされて、ロシア国外への出国命令(ロシアへの再入国不可)が宣告された。

 罪状は、ロシアの領土からの入出国を規制している法律25.10条項にあてはまるからだという。この条項下では、外国人が、国防と安全保障・公共の秩序・公衆衛生への脅威になる場合や国外追放により、立憲制度・モラル・権利・法的利益を保障できる場合には「好ましくない」と宣告される可能性がある。

国外出国命令? そんな人?

 この命令に対し、Shiwalha師は、落ち着いている。「悪いことは何もしなかったけれど、第二の祖国の法律に配慮して退去命令に従がう」と述べた。さらには、10年間にわたるロシアでの布教活動を振り返って「頼ってくれる人々の手助けをしてきた過去10年間、心をやさしさと愛へ開くよう、人生に肯定的な見方をよりもてるよう彼らに教えた」と語った。

 しかし、師の信奉者はとても困惑しているようだ。信奉者は、「寛容を説き、ロシア人のアルコール中毒や薬物中毒と戦うのを助けてくれた無害な僧侶である」と師を評する。また、「Shiwalha Rinpocheは、講義を開き、研修を開いて人々を助ける。例えば、プライベートを割き、問題や家族との争いをいかに解決するべきかについて人々にアドバイスを行う」と師のイベントを企画するセンターの広報担当者であるLokhninaは言う。

 FSBからの国外出国命令にも特に抗議することなく落ち着いている。そして、信奉者や関係者からも信頼を受けている。このような人物が25.10条項にあてはまる理由がない。では、なぜ国外出国命令が宣告されたのか?

「スポンサーリンク」

中国への外交的配慮

 このような人物が国外出国命令を受けたのだ。ロシアは中国へ外交的配慮をしているのではないか?

 中国の依頼で、Shiwalha師をFSBブラックリストに載せていると多くの人間が思っている。その理由は、チベット仏教をロシアで積極的に師が布教しているからだ。「FSBがこのような決定をした動機の一つは、ロシアでチベット仏教が普及してほしくない中国の試みである」と、宗教的エキスパートであるBoris Falikovは言う。

 このように、中国が関与していると疑われるのには理由がある。北京には、ダライラマと有名なチベットの僧侶を国際的に孤立させようとする方針があるからだ。そして、その方針からロシアは外交的な配慮をするからでもある。例えば、ロシアの領土へダライラマが入国するのを再三にわたり禁止している。

 それでは、中国は、なぜチベット仏教に厳しくあたるのか? それは、チベット仏教宗教的リーダーであるダライラマチベット独立を模索する危険な分離主義者だと中国が思っているからだ。

 

※1:「Banished Tibetan Lama Says He Was Warned By Russian Authorities

「スポンサーリンク」

-仏教

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

no image

「安全保障関連法」に反対を表明している仏教の宗派のまとめ

 本記事では、「安全保障関連法(以下、安保法)」に反対している仏教の宗派を調査した内容を記述する。 「スポンサーリンク」 調査方法  「安保法案 仏教」とGoogle検索をすると「安保法に反対する仏教 …

仏教徒なら絶対に知っておくべき釈迦の弟子【まとめ】

宗教を知ることで人間の行動が理解できる、というように日本人には理解できないかもしれませんが、それほど宗教は社会に影響を与えています。 ということで、宗教の中でも特に私たちに縁深い仏教のことを本日は勉強 …

no image

「不殺生祈りの会」安保法案反対を訴え

「安保法案認めない」 不殺生祈り僧侶ら座禅(愛媛新聞ONLINEより) 2015年9月10日、愛媛県内の僧侶らで組織する「不殺生祈りの会」が松山市湊町5丁目の坊っちゃん広場で安全保障関連法案反対を訴え …

no image

「安保法案」に反対する日本仏教界の危機感のなさ

不殺生祈りの会  先日9月10日に、愛媛県内の僧侶らで組織される「不殺生祈りの会」が安全保障関連法案(以下、安保法案)に反対して、座禅座り込みを行った。僧侶と市民ら約15名が通行人に「日本を戦争ができ …

さとるために釈迦が絶対におすすめする8つの方法【八正道】

釈迦が初めての説法である初転法輪で語った内容は、四諦と八正道であったとされています。 今回は、その内の八正道についてご紹介します。八正道とはさとりに至るための8つの実践方法という意味です。 正見(しょ …