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「安保法案」に反対する日本仏教界の危機感のなさ

投稿日:2015年9月13日 更新日:


不殺生祈りの会

 先日9月10日に、愛媛県内の僧侶らで組織される「不殺生祈りの会」が安全保障関連法案(以下、安保法案)に反対して、座禅座り込みを行った。僧侶と市民ら約15名が通行人に「日本を戦争ができる国にしないようにしよう」などと呼びかけたもよう。


 このように、安保法案に僧侶が反対しているという記事はよく見かけるが、賛成しているという記事は見かけたことがない。上記以外にも、浄土真宗の大谷派は「強く反対の意を表明」しているし、「呪殺祈祷僧団四十七士(JKS47)」なる仏教集団が、戦争法案反対・脱原発を目的に掲げ、「呪殺」祈祷会を開催している。
 不殺生の戒律を持つ僧侶が、集団的自衛権を行使可能にする安保法案に反対することを100歩譲って、理解できたとする。しかしながら、少し外に目を向ければ、僧侶たちにとって安保法案は日本仏教を守るためにも必要な選択肢のひとつになる。なぜなら、中国の脅威が拡大してきているからこそ安保法案は生み出されたからである。

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中国の脅威

 現在 中国は、南シナ海でその勢力を拡大しつつある。1974年には西沙諸島全域を支配し、1980年代には南沙諸島に進出し、南沙諸島6か所を占拠している。そして、2014年以降、南沙諸島において大規模埋め立てを実施している。確実に、南シナ海において中国は着々とその存在感を増しているのである。
 無計画に中国は南シナ海で勢力を拡大しているわけではない。そこには、計画が存在する。それは、第一列島線第二列島線内部の制海権確保である。これは、中国の戦力展開の目標ラインであり、対米防衛線でもある。中国は、その計画の中で第一列島線内部に2010年までに制海権を確保し、第二列島線内部に制海権を2020年までに確保するとしている。この第一列島線は、九州を起点に沖縄・台湾・フィリピン・ボルネオ島に至るラインを指す。
 日本も、中国のこの計画に無関係ではいられない。西沙諸島も、南沙諸島もこの第一列島線内部に含まれている。だからこそ、西沙諸島は支配下に置かれ、南沙諸島は現在進行形で埋め立てが進められている。ということは、この第一列島線に含まれる日本の領土はことごとく危険にさらされていることになる。
 2010年9月7日に尖閣諸島付近で操業中であった中国漁船と、この取り締まりを行っていた日本の海上保安庁の船が激突した事件は未だ記憶に新しい。これは氷山の一角で、2012年9月に日本が尖閣諸島を国有化して以来、中国の公船による領海侵犯が相次いでいる。このように、第一列島線内部にある日本の領土・領海は中国の圧力を受けているのである。
 第二列島線は、伊豆諸島を起点に、小笠原諸島・グアム・サイパンパプアニューギニアに至るラインを指す。第一列島線内部を制海権に確保するという段階でもこれほどの圧力をかけている中国が第二列島線への目標に推移してきたらどうなるのであろうか? 恐怖しか感じない。

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チベット仏教の破壊

 仮に、日本の領土が一部でも中国に占領されたとすると、そこにある日本の仏教は破壊されてしまうだろう。1949年、国共内戦に勝利した共産党中華人民共和国(中国)という国を作り、多くの国を占領していった。そのうちの一つにチベットがある。チベットには由緒正しいチベット仏教があるのだが、中国の一部になって以来、苦難続きである。
 多くの僧院が破壊され、多くの僧侶が還俗させられ、経典は焼かれ、仏像は溶かされ、散々である。その上、高僧の転生者認定も中国政府による許可制になってしまった。チベット仏教では高僧であるダライ・ラマパンチェン・ラマは活仏として崇拝され、死にあたっては転生者を認定することになっているが、中国政府の意向で認定できるようになってしまっている。1989年に、パンチェン・ラマ10世が死去した際にダライ・ラマ14世が後継者を指名したのだが、中国政府は別の人物を指名した。その結果、ダライ・ラマ14世が指名した後継者は行方不明になっている。
 このように、中国の一部になってしまったチベットの仏教は大変危機的な状況に陥っている。ということは、中国の一部になると仏教は破壊されてしまうという結論になる。第一列島線第二列島線を設定し、虎視眈々と勢力を拡大しようとしている中国に日本の仏教界は恐怖を感じないのだろうか?

日本仏教界の危機感のなさ

 中国が勢力を拡大してきている今だからこそ、安保法案を通じてどのように日本をあるいは日本仏教を守っていくかを考えなければならない時のはずである。それにも関わらず、不殺生の戒律故に安保法案に反対とか「日本を戦争ができる国にしないようにしよう」といい安保法案に反対とかいうのは、日本仏教界の危機感のなさを示している。
このままでは、かつて、イスラム教徒の侵攻を一因(他にも理由はある)としてインドから仏教がほとんど姿を消したように、共産党の侵攻を原因として日本から仏教が消えてしまう事態に最悪なりかねないのだから、日本の仏教界ももっと危機感を持つべきである。

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