仏教

釜堀浩元師が堂入り達成 天台の壮絶な行「堂入り」とは?

投稿日:2015年10月22日 更新日:


 2015年10月21日未明に釜堀浩元師が「堂入りの行」を終了しました。なお、堂入りの行とは、正確には明王堂参籠(みょうおうどうさんろう)といいます。

壮絶な修行「堂入りの行」

堂入りの行とは、

無動寺谷明王堂に足かけ九日間籠り、その間、断食断水不眠不臥、及び断言を貫かねばならない。明王堂は完全に閉じられ、なかはロウソクの光のみとなる。そこで一日三座のお勤めをし、それ以外は堂内に脇座を設け、そこに自分の小さな不動明王を安置し、十万編の不動真言を唱えるのである。

出典:行とは何か

すさまじい修行のようです。こんなことをしたら、ものの数日で常人であるならば発狂するはずです。では、どんな人が堂入りの行を受けるのでしょうか?

行の資格

当然、「堂入りの行」には資格がいります。それは、

  1. 天台の僧侶であること
  2. 無動寺谷に拠る住職たちによる「谷会議」での千日回峰行を行う承認を得ること
  3. 千日回峰行を5年続けて、700日間に及ぶ修行を消化すること

このように僧侶であっても誰でも「堂入り」ができるわけではありません。

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行者の状態

承認され、さらに5年間にわたる壮絶な修行を行ってきた修行者であっても、堂入りの行はやばい修行です。では、修行者は堂入りの行中にどのような状態になるのでしょうか?

光永澄道さんは、著書「千日回峰行」の中でこう説明しています。

一日目は、それまで二百日間続けて歩いていましたから、長いこと車に乗って降ろされた時のように、なんとなく体が動いている感じです。

 

二日目になると、ちょっと、胃腸の具合が悪くて吐き気を催すような気がいたします。

 

三日目、四日目ぐらいになると、ようやく落ち着いて、真言もスムーズに数えられるようになって、座禅の境地にだんだん近づいていく。(堂入りの間、陀羅尼を十万回唱えなければならない)

 

五日目ぐらいになると、もうつばが出ません。唇がかさかさになって、血がにじむような感じです。私たちはふだん唇は、そんなに柔らかいものではないと思っているが、実際はものすごく柔らかいものです。五日目の真中の時間に、白木の盆に天目茶碗ぐらいの白いものに入った水で、うがいをして片方の茶碗にだします。「減ったらいかん。一口でも飲んだらいかん」と言われて、一日に一度だけ出してくれます。非常にうれしいが、一杯の水を全部うがいしなければならないというのは、逆に苦痛です。食べたいということはないのですが、とにかく水の中に浸りたい。

 

七日目ぐらいになると、自分自身の肌が皮膚で呼吸しているのがわかります。私は寒がりだから、いつも長いアンダーシャツを着ていますが、苦しくて着ておられません。お堂の中ではガーゼの筒袖の襦袢を着て、その上に木綿の着物を着ます。できるだけ胸をはだけます。昔、熱病をすると、部屋を暖めてお湯をしゅんしゅんたぎらせて、呼吸が楽なようにしてあげた、ちょうどあんな感じなのです。

 

閼伽水まで、最初は十五分ぐらいで行けたのが、七日目ごろからは小一時間かかります。三歩言っては休み、三歩言っては休みという具合です。むだな動きは全然ありません。能役者の面をかぶった動きと同じです。最初のうちは天秤棒を自分の力で担っておりますが、そのころには後ろと前を侍者に持ってもらって、それにすがって歩いています。

 

すさまじい、ということだけが分かります。堂入りの行の一端だけしか分かりませんが、本当にすさまじい一端を見ているようです。

どうでしたか?

「堂入りの行」とは何か少しでも分かってもらえましたか? もっと知りたいという方は藤田庄市氏の「行とは何か」という本がおすすめです。

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